僕は本を読む時、印象に残ったところや、格好良い文章があった時には付箋やページを折って、近くにペンがあれば線を引く。
付箋のついたページをめっくた場所は先生からの手紙の場面。
以前にもこの場面をここで書いたような気がする。
「私は冷ややかな頭で新しい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています。血の力で体は動くからです。言葉が空気に波動を伝えるばかりでなく、もっと強い物にもっと強く働き掛ける事ができるからです。」
初めて読んだ時、漱石らしくない文章だと思った。
現実的な比喩を使うわりに、導き出した答えが曖昧だ。
はっきりと何を言いたいのか分かるのに、言葉の影が抽象的過ぎる。
何度かこの本を読んでわかった事は、この文章は先生自身を表している。
自分の過去を消化出来ていないが、後世に伝えるものはある。
伝えなければいけない事がある。
それがあくまでパブリックではないと言う事が、先生を苦しめている。
人は不完全
その中から絞り出した文章は、荒削りで力強い。
そして、共感できる。
傷つく事を恐れずに、人に思いを伝える。
今までの、これからの課題。
海は黒いけど太陽には負ける 闇は光には絶対に勝てない |
0 件のコメント:
コメントを投稿