この映画から学ぶものは何か?
この作品が言いたいこと何か?
いつも映画や小説、音楽に触れる時は意識するようにしている。そうしないとただぼんやりとした時間が過ぎてしまい、輪郭の滲んだ水彩画のような気持ちになってしまう。もちろん、そんな気持ちになりたい時は何も意識せずに活字を眼で追い、何も考えずにヘットホンをする。
けれど、初めての作品に触れる時はほとんどの場合、作り手の意図することを読み取ろうとしてしまう。ある意味、警戒心に似た感覚かもしれない。もちろん始めは好奇心だった。しかし、幾つかのがっかりさせられる作品に出会ってから徐々にそんな気持ちになったような気がする。
「in to the wild」この映画が伝えたいこととは何か?
正直、見終わった直後の感想は、出口のない地下室に居るような、息苦しさを感じた。直ぐに感想を言葉にすることが難しく、悲観的な意見が頭の中を飛び交った。しかし、時間が経つにつれて、endingのラスト10分間の映像と台詞が頭の中で反復し始めた。それはよく耳にするような、人生とは何か?というような命題ではなく、実際に肌を切られたような物理的な痛みに似た感覚で、何時間も歯を食いしばったような疲労感がそこにはあった。
究極の選択として、彼のした事が間違っていたのか、間違っていなかったのか?
答えを限局することによって、ぼやけたピントの焦点をあわせることができる。
僕の考えとしては、自分ならどうするか?そう置き換えるなら、答えは多少の靄が掛かっているにしろNO。つまり、彼と同じ行動をとらないし、彼の行動を非難する。けれど、彼が僕の心に刻んだ傷は深い。ということになる。
監督がショーンペーンというのも驚きだし、彼が主演を勤めたデッドマン・ウォーキングやミスティクリバーを見終えた時にも同じような感覚に襲われた気がする。
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